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慢性疲労症候群/線維筋痛症CFS/MF)とマイコプラズマ感染 | |||||
慢性疲労症候群は、原因不明の強度の疲労が長期間(一般的に6ヶ月以上)に及び継続する病気である。患者が訴える主な症状は、身体及び思考力両方の激しい疲労と、それに伴い、日常生活が著しく阻害されることである。 長期間の疲労感の他に次の症状等を呈する。微熱 ・咽頭痛 ・頸部あるいはリンパ節の腫張・原因不明の筋力低下。羞明 ・思考力の低下・関節障害 ・睡眠障害。 原因不明の疾患で、通常、血液検査等も含む全身の検査を受けても他の病気が見つからず、精神疾患も当たらない場合に疑われる(除外診断)病気である。 アメリカ疾病予防センター (CDC) によると、完治は希で5%~10%であるものの、治療により改善したり、ある程度回復するとされている。日本では人口の0.3%にあたる約38万人がCFSを罹患していると推定されているが、認知度の低さにより、適切な診断を受けていないか、うつ病・神経症・更年期障害・自律神経失調症等に誤診されている患者が多いと思われる。よく間違われることであるが、疲労が蓄積された慢性疲労とは別のものである。 CFS患者の症状と湾岸戦争症候群(GWS)の症状が、酷似していると報告されている。湾岸戦争症候群(GWS)の原因の一つが、マイコプラズマといわれている。患者の約半数に、マイコプラズマの抗体が見つかっている。 感染症起因の慢性疲労症候群の原因としてマイコプラズマがあり、臨床医のための臨床症例定義とガイドライン(カナダの合意文書)では、マイコプラズマの診断と抗菌剤治療が組み込まれている。
このなかで、マイコプラズマ感染の特定と治療についての記載があります。また、病原体の存在の可能性があり輸血においての注意があります。 日本でも、以前、マイコプラズマ感染症についての検討がされたようですが、慎重に再検討する必要があると思います。 マイコプラズマ感染症は、肺炎のみでなく、喘息・関節炎・腎炎・髄膜炎・脳炎・血管炎・皮膚炎などを引き起こし、リウマチ性疾患や神経系疾患などと区別が難しい多彩な症状を呈することがわかってきています。 急性から慢性、難病化と、多様な経過と病像を呈するマイコプラズマ感染症は、長引く咳や肺炎などの呼吸器症状がみられず、神経炎・髄膜炎、結膜・皮膚炎などの肺外症状が主症状であることも知られています。 したがって、慢性化し難病に至る疾患に関連しているマイコプラズマ感染を、いかに正確に、早期に、発見・診断し、有効な抗生剤療法の適応患者さんを治療に繋げられるかが非常に重要な分岐点となります。 しかし、これまで定量性や検体採取部位などの限界から、診断-予防-治療が適切におこなえていないのが現状です。 マイコプラズマ脂質抗原の精密抗体定量法は、抗体量をゼロレベルから、精密に測定可能です。この定量的な抗体測定法は、疾患の活動性の指標となり急性期のみではなく慢性期の病態の変化を把握する事ができる、精度の高い経過観察マーカーとして期待されています。 原因を特定し除去できる診断プロトコールの確立が理想です。 マイコプラズマ感染症との関連についても検討していく必要があると思います。 |
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